アカデミー

毎年メインテーマを決め、テーマに即した実技・講義の両面から学んでいくクラスです。
着物の背景に広がる奥深い世界に目をむけ、日本の伝統や工芸についての知識を掘り下げていくのが目的です。(和装組曲以外の方も受講できます。)
開催日時は不定期ですので参加ご希望の方は和装組曲までお問い合わせ下さい。
着物の着用が原則、出席はアトランダムでも構いません。

長い経験のある現場の方々とのやり取りを通して知識や技を肌で感じ取り、自分の和の世界の知識を濃く深く体感し昇華させていくためのクラスです。
着物の販売や買い付けなどを目的にしている方々の参加はご遠慮いただいていますのでご了承ください。

水引に遊ぶ〜鶴の飛ぶ色紙〜

〈実施日〉

2011年12月17日(土) ※ 終了しました

〈内容〉

場 所:和装組曲
講 師:山田ひろみ さま
参加者:6名

前回好評だった水引の教室に続き第二弾。
あいにく朝から雪。路には8センチほどの積雪。あまりにも寒いので急きょ炬燵をしての開催となりました。

お正月前ということもあり朝9時から集まり着物の着方を復習してのひと時。10時からの開催には初顔合わせの方々なのにすっかり和やかムード。

水引のしごき方、扱い方なども復習を兼ね講師の山田様の気取らぬ口調と和やかな雰囲気にいつの間にか方言も飛び出し終始楽しく初顔合わせと思えぬ笑いの渦。色とりどりの水引を選ぶのも思い思いのこだわり。色というのは何と人の心を浮き浮き、わくわくとさせるのかと感動いたしました。

今回は水引の扱いのいろはを学んだ前回から一歩進めてあわじ結びから一つの作品として仕上げていくのが目的。前回は水引二本どりの携帯ストラップの作品でしたが、今回はお正月も近いこともあり水引五本とりでの色紙に飛ぶ鶴二羽に挑戦しました。

継承されている金沢ならではの技をちょっぴり経験し、繊細な美しい世界にひと時遊ぶ半日でした。皆思い思いの色の鶴を作り、銀の扇面の書かれた台紙に貼りつけました。気がつけば予定時間を大幅に過ぎる程夢中になりましたが、どの方も自分の作品が秘かに一番だったのではないでしょうか?

足元の悪い中、着物での参加お疲れ様でした。
又、山田ひろみ様、お忙しい折、わざわざお時間をお取りいただき有難うございました。飾らぬお人柄のお陰で参加者一同、緊張もとけ楽しいひと時を過ごすことができました

  • 1217-01

手書きの年賀状書いてみませんか?〜毛筆へのいざない〜

〈実施日〉

2011年11月19日(土) ※ 終了しました

〈内容〉

講 師:下嶋光子 さま
参加者:10名
後 援:北國新聞社

結婚式の受付で書く氏名、展覧会や個展会場で書く住所、のし袋の上書き・・

毛筆が用意されていて一瞬気おくれしたことありませんか?
物凄く達筆でなくていいのでさらさらと書けたらどんなに素敵でしょう。自分の名前くらいはいつも使うものなので綺麗に書きたいですよね?

今回はお正月も近いこともあり、年賀状を例に綺麗に見える毛筆のコツを教えていただきました。今回は先生が特別お一人お一人の名前を書いてご用意下さいましたので、それを手本に自分の名前を綺麗に書けるいろはを習いました。

参加前は着物ではたして墨を扱うのはどうだろう?
汚れはしないか?汚されはしないか?

皆さんとても心配されていましたが、襷をかける方、袂を左手でそっと抑えたり、立ったり座ったりに他の方の迷惑にならないよう、体に触れないよう、机を動かさぬよう、静にそっと声をかけたりと普段とは動きも態度もたおやかで物腰静かなイベントとなりました。

作品として一枚仕上げることを目標に、最後は落款制作。落款作りの所では既に着物を着ていることも忘れ皆さん凄い集中力。プリンターで印刷する年賀状ばかりが目につきますが、特別な方に特別思いを込めての一枚・・・秘かにもって帰られたのではないでしょうか。

下嶋先生、朝から雨の降りしきる中、お越しいただき有難うございました。
又今回受講いただいた皆さん、お疲れ様でした。着物での体験に経験と奥行きが広がったと信じています。

  • CIMG4301_R
  • CIMG4309_R
  • CIMG4315_R
  • CIMG4338_R
  • CIMG4350_R
  • CIMG4361_R

着物も帯も最後は色〜美しい日本の色〜

〈実施日〉

2011年10月15日(土) ※ 終了しました

〈内容〉

場 所:花てまり(金沢市八日市)
講 師:花てまり 代表 中川 外志男 さま
参加者:9名

素材や技術だけでなく色も又日本の気候風土の中から生まれてきたものです。
季節の花や植物だけでなく風景や自然の色を着物に取り入れる日本独自の色の歴史があります。

今回は着物に使われる「美しい色」の勉強会です。
美しい色と言うものにこだわりながら、色がそれを身につける人にどういう影響を与えるかなどを「花てまり」店主 中川外志男さまにお話しして頂きました。

玄関をくぐった一瞬から帰るまでの間、全てのしつらいに感動があり驚きがありました。抹茶をたてて頂きながら、暫し過ごすこだわりの空間に身を置き日本人ならではの喜びを堪能したのは私一人ではないはず。静に流れるクラシック音楽、ここかしこに飾られた厳選された絵画や工芸品の数々、呉服店というよりは正に癒しの一空間。

植物染料、動物染料、鉱物染料・・・自然界にあるものから染められた反物を実際に見て触って話をお聞きし店主のこだわる気品を備えた力強い色の世界をちょっぴり体感。どんなに激しく見える色でも穏やかさや落ち着きを備えていますし、どんなにくすんで渋い暗い色にも味わいがあり人を魅了するということを教えていただきました。

いつの日かこの力強いパワーを放つ色を持った着物ですっぽり身を包みたいと切に願った私達でした。

このイベントのために半日お時間を割いて下さった中川さまご夫妻に心より感謝いたします。また私達の訪問の為、時間変更を余儀なくされたお客様にはこの場をお借りしてお詫び申し上げます。本当に有難うございました。

  • CIMG4015
  • CIMG4029
  • CIMG4021
  • CIMG4039
  • CIMG4048

実践!!美しい半襟の付け方

〈実施日〉

2011年9月17日(土) ※ 終了しました

〈内容〉

場 所:和装組曲
参加者:8名
後 援:北國新聞社

着物を着ることができるようになっても案外難しいのが半襟付け。
呉服屋さんや和裁士さんにお願いする方が多いのではないでしょうか?
半襟を自分で手早く付け替えられるようになると半襟の汚れは怖くないし、着物を着ることが楽しいことに思えてくるので不思議。着物の色や帯の雰囲気に合せて色半襟にしたり、刺繍のものにしたり・・・時には不要になったスカーフやレース、端切れなどで代用したり、スパンコール、ビーズ、ラメなどで自分らしく工夫して使うのも自由自在。

着物でのおしゃれを楽しむ為には半襟を如何に手早く皺が寄らず美しく付けるか・・・
着物を着られるようになった方の次のバージョンともいえる半襟付け。今回は皆さんに針と糸で実際に付け替えて頂きました。

着た時に自分の襟のどこに主に皺が出るか?どこを引きながら縫い、どこをゆるめながら縫えばいいのか、どこを綺麗に細かく縫わないといけないか、反対に大雑把な縫い方でも大勢に影響はないのはどこか、などを交えながらの実践講習会でした。
日常針や糸を持つことのない若い方や老眼鏡が必要で針や糸はちょっと苦手の方々を含めながら、如何に簡単に時間をかけずに半襟を付け替えるかは、着物愛好家にとってはとても重要なアイテムの一つ。実際自分で付けた半襟のでき具合を見て頂くために襦袢を着直して頂きました。

「本当に綺麗に付けられた!!」
「今まで教えてもらった中で一番簡単!!」
「面倒くさくなく半襟を替えられる!!」
そう・・着物を着ることよりも半襟が汚れるので半襟の付け替えが面倒で着物を着ない人も案外多いのです。満足していただいて何よりでした。
次からは綺麗な半襟でお会いしましょうね。皆様お疲れ様でした。

  • 0917
  • 0917-03

帯は後ろの顔

〈実施日〉

2011年9月10日(土) ※ 終了しました

〈内容〉

場 所:竹屋(金沢市竪町)
講 師:竹屋社長 竹田和雄様
参加者:12名

竹屋コレクションの2回目は帯の勉強会でした。
着物は着る場により着分ける格があるように帯にも格があります。着物がいくら格調高くてもそれに見合う帯を選ばないと着物の格を下げるという結果にもなりかねません。地色、柄、技、など様々な要素を検討し着物に合う風格を備えた帯を選ぶ時の見極め方を伝授して頂きました。

糸の細さと軽い手触りに驚き、緻密で精巧な技に歓声をあげ、歴史を感じさせるどっしりした柄行に圧倒され、底しれぬ力強さを持つ帯に驚きと称賛の声をあげ、様々な帯の魅力を堪能させていただきました。なかでも自分好みの帯を見つけた時はどこか離れがたくいつまでも見入っていたひと時でも有りました。

着物1枚に帯3本とか・・5本とか・・・
どんなものを身につけ、どういう合わせ方をするか・・帯の選び方は着物以上に大切な事であり着る人の感性、知性、考え方など様々な情報さえも発信しているのだと思うと、着る場所や着物にふさわしい帯を選ぶ目を養う努力を続けていくことは着物を愛する私達にとってとても大切な事。そしてその中に自分ならではの遊び心を何処かにひっそりと取り入れていくことこそが着物の醍醐味ではないかと感じた私達でした。

貴重で高価な帯の逸品を惜しげもなく見せて下さった竹屋社長 竹田和雄さま、また土曜日のお店の混むときにお邪魔したにも関わらず、私達に快く対応して下さったお店の方々に心からお礼申し上げます。本当に有難うございました。

  • 帯の格9/10-039
  • 竹屋さん006
  • 帯の格9/10-010
  • 帯の格9/10-036

自分でできる簡単着物ヘア

〈実施日〉

2011年8月20日(土) ※ 終了しました

〈内容〉

講 師:美容室サロンドハセガワ 代表 長谷川浩子さま
参加者:7名
後 援:北國新聞社

自分で着物を着られるようになっても案外難しいのがヘアスタイル。美容院にまで行くほどでもなく、かといって自分でするとどこか少し野暮ったいバサバサヘアー。着物を着てちょっと楽しむのに案外ヘアは高いハードルかも。そんな方々に自分だけの簡単ヘアを身につけてもらうきっかけになれば・・・と1年に一度着物ヘアの講習会を和装組曲で開いて既に今日は3回目となります。

今回の講師はパリでの7年間の経験を活かし武蔵で活躍されている美容室サロンドハセガワの長谷川浩子さま。彼女のお父様は金沢で本格的な日本髪を結うことのできる最後の方かもしれません。私が初めて日本髪を結って頂いたのは約40年前のこと。今度はそのお嬢様に今風の着物ヘアの講習をお願いすることに感慨深いものを感じました。

今回はセットに入る前のヘアのベース作りを基本に教えていただきました。ドライヤーの風の当て方、櫛の入れ方、ワックスやムースの付け方、カーラーの巻き方、ピンのさし方、衿足の処理の仕方、など案外雑誌などに乗っていないコツや見落とされる基本作業を丁寧に伝授して頂きました。次にボリュームの入れ方、付け毛の使い方、簪や造花の選び方と付ける場所、など一つ一つ、一人ひとりの髪を直しながら指導して頂きました。

スプレーで固めたものではなくて、自分の指で優しくふんわりそれでいて綺麗に結いあげた髪に「素敵~!!」としばし見入る方も。
どんなことも一度でパーフェクトは難しいです。着物を着る機会を作りながら今度は髪を自分の気に入った形に結えるようになっていければ・・・・と思います。

土曜日のお店の立てこんで忙しい時にわざわざお時間をとって和装組曲に来て指導をして下さった長谷川浩子さま、そして快くそれを引き受けて下さったオーナーの長谷川勇さま、バックで浩子様不在のお店を力強く支えて下さったスタッフの方々に心からお礼申し上げます。本当に有難うございました。

  • CIMG3852
  • CIMG3846
  • CIMG3849
  • CIMG3842

ゆかた…をマスターする!!

〈実施日〉

2011年7月16日(土) ※ 終了しました

〈内容〉

参加者:7名
指 導:和装組曲 養成コースⅢの3名

たかが、ゆかた。されど、ゆかた。

案外綺麗にすっきり着こなしている方は少ないのではないでしょうか。まして5時間、6時間動きまわったあとの着くずれは凄まじいのでは?

ゆかたの着方のポイントをしっかりと押さえ、帯の崩れを最小限にするというコツを主に今年こそ・・・と云う方々に挑戦して頂きました。

注染、型友禅、綿紅梅、絞りなどの浴衣に半幅帯や博多帯、名古屋帯とそれぞれ思い思いの物を持ってきていただきました。中には高校生の時に着た浴衣を大切にして着ていらっしゃる方もいてゆかた談義にもほのぼのとした花が咲くひと時でもありました。

少し着ることのできる方は貝の口やアレンジ帯結びに挑戦、全く初めての方にはオーソドックスな蝶結び、文庫結びをマスターしていただきました。
半数以上の方はそのままゆかたで下駄の音も軽やかに帰途に・・。

34度を超える真夏日・・・和装組曲の一室はクーラーや扇風機もきかない猛暑日でしたが、受講生、指導のスタッフあわせて11名、楽しく笑って過ごせたことに感謝し受講生の方々に心よりお礼申し上げます。
又お会いできることを祈っています。

  • CIMG3836
  • CIMG3834
  • CIMG3824
  • CIMG3823
  • CIMG3831

着物文化を日常にいかす 〜安斎君予さまをお迎えしての夕べ〜

〈実施日〉

2011年7月2日(土) ※ 終了しました

〈内容〉

解 説:安斎君予 さま
参加者:15名
後 援:北國新聞社

藍染め作家・文香作家としてだけではなく着物愛好家としても有名な安齋君予さまをお迎えしての講演ということでいつになく緊張感漂うなかでの開催となりました。

藍染めの着物が出来上がるまでの工程、他の染色の着物との違いなどを分りやすくお話しいただき、さらに型紙を一つ一つ提示していただきながら作り手側の思いなどを語って頂きました。一人の女性としての半生を穏やかに、また熱く、時には笑いを随所に織り混ぜ、江戸型彫の型を使って文香の制作に至るまでの経緯を語る安齋さまの巧みな話術に次第に受講生は引き込まれ圧倒されていきました。まるで一緒に自分たちも体験しているような感覚で、楽しく感動のひと時でした。

またひたむきな生き方、一瞬一瞬の出会いを大切にされる考え方、静かに注がれる観察眼、偉ぶらない気さくなお人柄の中にもシャープでキレのある話し方に接し、着物を愛する大先輩として安齋さまに魅せられたひと時でもありました。
合理化が優先される今日ですが、無駄を全て排除するのではなく其の無駄の中に楽しみや喜びを見つけることこそ人生の面白さであり醍醐味であるのだとと教えて下さった安齋さまでした。

面白きこともなき世を
面白く住みなすものは心なりけり

(高杉晋作)

創作活動の傍ら、型彫りの教室、各種講演、撮影収録、とハードなスケジュールの中 今回のように時間をやり繰りして金沢までお越しいただきましたことを感謝申し上げたいと思います。本当に有難うございました。安齋さまの今後のご活躍を受講生一同心よりお祈り申し上げます。

  • 0702
  • 0702-03

中古の着物について

〈実施日〉

2011年6月18日(土) ※ 終了しました

〈内容〉

場 所:和装組曲
解 説:新井大介 さま(和想屋 暁 代表)
参加者:16名
後 援:北國新聞社

中古は所詮中古・・・そんな考えは昔のこと。
中古の着物の企画をHPに載せて一週間もしない間に予定人数となりました。中古の着物に対する関心の深さがうかがえて驚きでした。
着物を御大層なものと考えず、手軽な料金、楽しい柄選び、おしゃれな感覚・・・・まるで洋服を選ぶように着物を選び自分だけの個性的な装い方やレトロな気分を楽しむ・・・講師である和想屋・暁代表の新井大介さまの自由で楽しい感覚に参加者もいつしか引き込まれ圧倒されていきました。かたや着物に対する厳しい選別眼はさすがプロ。

スケールを使って、1センチ角の中に縦糸、横糸、絣柄の数などの読み方、見極め方など細かく指導。更に機械織り、手織りの違い、証紙の正しい見かたなど、中々素人にはわかりづらいチェックポイントまで網羅していただきました。

「大島って何?」の初心者から「ヒトモトの7マルキ?」「カタスの5マルキ?」という言葉まででる強者まで16人の受講者。初心者には若干難しい所もあったかもしれませんが大事なポイントさえ掴んでいただければと思います。又着物歴の長い方々には「今までバラバラだった知識がスーッと繋がった」と好評。

今回は中古の着物でも誰でも憧れる「本場奄美大島紬」を中心に講義していただきました。次回機会があれば結城紬の見極め方なども教えていただきたいと話し合い散会となりました。今が旬の「中古の着物」について、忙しい仕事をやり繰りして時間を調整して来て下さいました新井大介さまに心より感謝申し上げ、参加者に今後の永久保存版となるような素晴らしい資料までご用意頂きましたことに参加者一同、感嘆と感動を覚えましたことを申し添えたいと思います。本当に有難うございました。

  • CIMG3732
  • CIMG3721
  • CIMG3720
  • CIMG3734
  • CIMG3735

江戸染と伝統工芸の美

〈実施日〉

2011年5月21日(土) ※ 終了しました

〈内容〉

場 所:銀座世きね 金沢支店
解 説:白藤 幸四郎 さま
参加者:12名

江戸小紋ができるまでの工程を実際使われていた板や彫り道具、渋紙の型などを見せていただきながら説明頂き、毛万筋・菊菱・行儀・格通し・鮫小紋柄などの出来上がりの江戸小紋を見せていただきました。
京友禅、加賀友禅とも一味違う江戸の粋、伝統に磨き抜かれた気品と格調は江戸の職人気質が根底に脈々と流れていたからこそのこと・・・

「こんな型紙を彫ったぞ、染めてみやがれ」
「いいとも、染めてやろうじゃあないか」

ある意味、技と意地の張り合いが、何カ月もかけて素晴らしい型紙を作り出していき、その型紙にふさわしい素晴らしい染めが出来上がってきたということでしょう。しかもちょっと見には無地、よくよくみると小さな形が綺麗に詰まっている。小さければ小さいだけ、細かければ細かいほど技がとわれるし腕の見せ所となる。しかも主張しない癖に物凄い存在感を放っている。柄の向こうに職人さんの「参ったか!!」という誇らしげな笑い顔が見える。

「粋だねえ!!旦那がた!!」

と職人さんに声をかけたくなる私。技もさることながら職人さんの正に心意気が心憎い。

最後に問屋さんが保存されていた貴重な花魁の衣装を見せていただきました。紫の繻子地に豪華な極楽浄土の刺繍を施した絢爛な打掛に皆思わずため息。二人の天女が舞うそれは見事なものでした。昭和10年ごろの吉原廃止の頃のものとのこと。

銀座世きねの皆さん、問屋さん、そして江戸小紋の広瀬雄望先生・・・たくさんの方々が呉服振興の為、和装組曲の着物愛好家の為に有形無形の形でご協力下さいましたことに心からお礼申し上げます。本当にありがとうございました。

顔にゃ迷わぬ姿にゃ惚れぬ
たったひとつの心意気

(小唄より)

  • CIMG3680
  • CIMG3688
  • CIMG3694 コピー
  • CIMG3698
  • CIMG3682 コピー

竹屋コレクション 染めの技

〈実施日〉

2011年4月16日(土) ※ 終了しました

〈内容〉

会 場:竹屋(金沢市竪町)
講 師:竹田和雄 さま
参加者:11名

誰もが憧れながらも足を向けることにためらう場所…
その筆頭が高級呉服店の二階ではないだろうか…

この度「和装組曲」の本年度企画『本物を見る』の第2段のテーマ「染めの技」の講義を呉服店 竹屋の竹田和雄様にしていただくにあたり、その憧れの2階へと招待された。
単に・・呉服店の2階へ迷いなく上がれる、美しい着物を見られると望んだ我々を、想定外の迫力で作品群が圧倒した。

披露された竹田氏の誇る所蔵品の数々は、もはや着物という範疇を通りこし、作家の制作に対する凄まじいばかりの情熱が「着物」という形に現れたまさに一つの美術品。
目の前に広げられるその逸品の数々を、竹田氏の白熱した解説を聞きながら鑑賞するという贅沢な時間はあっという間に過ぎて行った。

お話の中には有名作家の知られざるエピソードや、長い年月のうちに育まれた制作者たちとの交流の思い出、また着物が引き起こす奇縁の物語など・・どれも作品に負けないおもしろさだった。
時間終了後も立ち去り難く好みの着物の前に佇む人、より詳しくその技法を質問する人等いつまでも興奮冷めやらぬ光景だった。

『本物を見る』ということがいかに人の感動を呼び覚ますかを知る貴重な経験だったと改めて実感した。

最後になりましたが、お店の二階を和装組曲の催しの為にわかりやすいような形にわざわざしつらえ直しコレクションの展示をして統計だった解説をして下さったこと、着物を見るというより美術品を鑑賞するという贅沢で濃密な感動のひと時を提供して下さいましたことを竹屋社長竹田和雄さまに心から感謝申し上げます。本当にありがとうございました。

白波の浜松が枝の手向け草
幾代までにか年の経ぬらむ

(万葉集)

  • 038
  • 046
  • CIMG3663
  • CIMG3668

花岡コレクション 〜男の子の着物〜

〈実施日〉

2011年2月26日(土) ※ 終了しました

〈内容〉

場 所:ゑり華(金沢市竪町)
解 説:花岡博司 さま
参加者:13名

白銀(しろがね)も 金(くがね)も玉も何せむに
まされる宝子にしかめやも

(山上憶良)

子や孫に願う思いはいつの時代も同じ・・・
江戸末期から明治にかけての男児の紋付を十余点見せて頂きながら、当時の親や祖父母が子や孫に何を願ったかをうかがえると興味深い思いでした。

図柄は、犬、山羊、鶏、魚、海老、鶴、といった生活に密着したものを中心に背景には野原、川、松、空、朝日といった日常の自然が描かれていました。中でも草をはみ反芻している山羊の足元に描かれた山羊の糞の描写を見た時は、美しい花々を描いても葉の裏に蠢く虫の存在まで彷彿とさせる「虫喰葉」(わくらば)を好んで描く加賀友禅の原型を見るようで感慨深いものがありました。

爪を立て獲物を探す鷹、牙をむく虎、威風堂々とした獅子といった猛禽類や猛獣などの激しく雄々しい男性的なイメージを連想していたので、自然の何気ないほのぼのとした図柄にびっくり。大きな松に降り積もった水分の多い重い雪、そこに軽やかに遊ぶ小さな雀の図柄に、粘り強くしかも静かに自然を受け入れ、穏やかな毎日への素朴な感謝があふれているようで切なくも暖かく感動的でさえありました。

デザイン、構図はとてもダイナミックで躍動感あふれ圧倒されました。単色づかいながらもピクリと今にも動きそうな伊勢エビ、尻尾をふってすり寄ってきそうな子犬、清流から今飛び出した瞬間の鯉・・などまさに一つ一つ手描きならではの写実性あふれた大胆なもの。それなのに鱗の一枚一枚、毛一本一本、葉の一枚一枚が風になびき光に反射し、水をはじき生き生きと描かれていました。一言でいえば生命力の謳歌とでも言えましょうか…。

男の子としての雄々しい面の成長だけではなくて(昭和期にはいってからのイメージなのかもしれません)、まずは人としての健康な毎日、穏やかな未来を願ったのではなかろうか・・と。一言でいえば命への感謝ではなかったのかと。女の子の祝着の図柄もいつか見てみたい・・と話しあいながら帰途につきました。

このような感動のひと時を提供下さった花岡慎一会長の染織に対する造詣の深さ、熱い思い入れに心から敬意を表すると共に、私どもに時間、空間を割いて加賀染めの知識を提供下さった花岡博司社長に心から感謝申し上げたいと思います。本当に有難うございました。

(着物の写真は撮影禁止ながらも特別に許可を頂き撮影させて頂いたものです。)

  • 004
  • 010
  • 011
  • 013
  • CIMG3624